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「俺はこう思う」 繪と人生と-4

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-05-15

 

此の地塗りが早く出来上る人もあろうし、遅い人もあっても良いし、或は、地塗りしなくとも良い人もあるかも知れないし、地塗りの出来ない素質の人もあるのである、


さて、いよいよ繪を畫く様になって、人眞似の絵を書く人がある。自分獨創の画もある、自分勝手の絵もあるし、粗雑な画、漫画の様な画、強い画、弱い画、淋しい画、線の太い画、細いこまかな画、いろいろの画がある、その人の個性の相違、即ち、性命の差に依いて、生活の色、描方が斯々異って現はれて来る。


画を書くときには、第一に絵の具を吟味しなくては美くしい画は出来ないように、家族や友達が悪るくては立派な仕事は出来ないのである、特に夫婦と云うものは、その繪を書くときの主要な色のやうに、人生もこの夫婦の色が大きく調子を左右するのである。


切角良い絵の具を用意しても、絵の具の主要の混合が良くなくては、絵の調子は出ない様に、家族友人がよく協力しても主要の夫婦の組合せがよくなかったら、人生は美くしく画かれない。夫婦の色の混和しての色を出すことは非常にむつかしい。若し夫婦主要の色の混合がきたない色であったなら、キヤンバスの地塗り、絵の具の用意が如何に良いものを集めてあっても美くしい繪にはならぬ、若し、此の主要の色が美くしい色であったら、キヤンバスの地塗りの良否、等に関係なく、美くしい絵も出来る。
 

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