生活の不調を招くのも風です。只此の風は口から出る風で言葉なのです、息づかひなのです。
日常の家族の荒々しい言葉、陰気な言葉グチのくり返しは、家の中を荒々しく、暗く、淋しくします。
こんな風は一時的に現はれたものならなほりますが、毎日毎日の言葉になって終って、お互ひに慣れっこになり、知らず知らずに過して居る中にトゲトゲしい家風を作り出して、ちょっとした話し合ひで出来ることも大騒動にならなければ解決出来なくなる時もあります、こんなのは、お互ひに毒を吹きかけ合ってゐるやうなものです。
「恒産無ければ恒心なし」「衣食足りて禮節を知る」と管子の言葉ですが、こんな荒々しい又は陰気な家風の起った原因は、「貧乏」なことに原因があるかも知れません。「愛情だけでは食って行けません」ことは本当でせう、本当でせうが、富んだ家も案外、陰気な或は荒々しい爭ひの家もあるのです、「私が」「私が」が原因てないでせうか、「禮節」がないことは、金が合っても心が富んで居ない、富でゐても裕かでないのです。
金が無ければ、『貧すれば鈍す』で英雄豪傑も智人も天才も金を持った馬鹿に頭が上らない世の中、私もお金が無いと矢張り陰気になりそうだ。
