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「片片草」 第三国家-2

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-08-09

 

印度に行くと乞食が多い。南洋にも乞食が居たし、支那でも居る。どうも乞食を見るのが好きなのか今でも知らない町に行って乞食を見付けると、視線がどうしても其処に行って困る。乞食のはなしならいろいろ知ってるよ。日本も支那も居るが印度は特に多い。


乞食は、本来貧困の極になるものと云う觀念は日本人の考へであって、支那では一つの職業だし、印度では階級的な存在なのだ。印度では自分の意志や状況に依るものでなくて、生れ乍ら乞食なのである。この乞食階級と云うものの存在が印度の印度としての特質であり印度らしさであり、印度の偉大さを示すものであると思う。


で、印度の三十パーセント、五十パーセントは此の乞食に属する階級であるし、その階級の中にも、又上下があって、一番低いのは不可觸賤民と云うのだ。「さわってはいけない」と云うものだ。犬や猫には觸ってよいが、この階級の連中には觸はるなと云うのもある。


ネールやガンヂー。ボースなんかは皆、最高階級のバラモン出身者であり、職業的に只の使用人や書記であっても、一度階級的に云ってバラモンなら、社会的位置も裁判上の特權も出て来るのだから、日本人の様に階級的差別の無い生活からは理解し難いところも出来てくる。
 

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