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「片片草」 地獄談義-7

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-09-04

 

馬鹿の第一は鬼だ、プンプンプンプンと、怒って傍の人をハラハラさせてゐる。怒鳴って四囲を暗いいやな感じにさせて、やっとのびのびすることが出来るんだ、鬼は地獄の住人だから、自分の四囲の人が佛さまのやうに親切でやさしいと気に入らないのだ、人達が賑やかに楽しそうにしてゐると、其の中に這入って、ガンガン怒鳴りたくなる、イヤな地獄の気分にして、そしてヤレヤレと鬼は㐂しくなるんだ、外から帰って、玄関を這入ると怒鳴り出す奴もある。家に帰ったら、トタンに偉くなりたいんだ。家の中を地獄にして暮したい奴、餓鬼もある。アレモ、コレも欲しくて欲しくて惜しくておしくて、人のツラ見ると、借りに来たな!!と身構えて終ふ奴、人が持ってゐるのが欲しくて欲しくて、ゼニコでも品物でもあれもこれもと、そして、尻にくっついてペコペコ頭を下げる。こんな奴はいくら持たせても尚ほ欲しいんだ、呉れてやらなければすぐ他のくれそうな処へ行く、こんな餓鬼は何かもらへそうだと思ふと、何でも喋る、特に人の秘密なんかペラペラペラだ、貴方の四囲にも居るから気を付けよ、餓鬼は地獄まんだらの画では手足が細く細くやせて、腹だけが大きな、食っても食っても尚ほたりない奴だが、此の世では、紳士の面をしやがって、眼鏡をかけて、立派なもんだ、ブーブーと火の車に乗って、赤いカバンを持ったり、子分を連れたり、デカイのがゐるね。

この餓鬼に取り付かれたら、骨までしやぶられる。特に死殻に集まる禿鷹のやうに、会社が倒産整理なんて云うと、来るは来るわ、見つともない程来る。

餓鬼の一種にグチ愚痴と云う一種もある。愚痴の愚とは自分の損得のことしか考へられないこと、他人なんかどうでも良いんだ。
 

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