此の未完成の完全を續けて、万年もくづれないピラミッドになるか、途中から予定をかへて、塔を作るか、又は家を建てるかはその時のこと、兎に角毎日を完全にする為に毎日の生活を整えやうとしてゐる。借金も無い様にする、人との義理も缺くまいとする、「敵」と自称して来る者以外とは、良い友良い兄、良い父であろうとする。
机の上も、押入れの中にも、何時誰が見ても辱づかしくないやうに、躯の調子も整へて置かねばならない。忙しい忙しいそれに又、今日思ひ立ったことは今日中にして置かねばならない。むづかしいよ、
さて、此の毎日々々の積み立てがどうなるか?これは俺にも判らない、只、今日で終っても、今日まで「完全に俺らしく生きて来た」それでよいのだ、だから、敢えて俺は斯うだと仮定を付けてゐない。只今までの積み上げたものの上にのんの様が次々と作るものを指示して下さるだろう、毎日を完全にしておかなければ明日の完全はない、今までの正しい積み上げが、他の人にはくらべてみて、貧弱であっても、自分としては自分らしいものであれば良かろう。
思はぬことから、易者になった。易者として完全でなければなるまいと、毎日が勉強だ、古典を調べる、新らしい俺らしい易の理解を持つ為に兵書の研究もやる、斯ふやってゐて、此の次は何になるのか、暴風雨が来るか洪水が来るか、現在が完全ならばその時も完全に出来る筈だ、で、俺は只、今日のことに「精進」しようと思ってゐるだけだ。
